料金について
この記事で紹介している料金設定は、2019年10月のJR運賃・料金改定以前の情報です。現在の料金とは若干異なりますのでご注意ください。
新幹線の割引チケットとして定番なのが「回数券」。
回数券で新幹線に乗ると、料金は通常と比較して1~10%前後安くなります。(割引率は区間や座席によって異なります)
例えば、東京⇔大阪の割引率は約5%で、割引額は片道760円、往復1,520円。
このように、とてもお得な回数券ですが、いくつか注意点もあり。
回数券は基本1セット6枚なので"東京⇔新大阪”の場合でも「82,140円」もする高い買い物です。だから、
- 期限内に使い切れなかった・・・
- 後からもっと安いチケットを見つけちゃった・・・
など、プチ後悔しないための基礎知識を押さえておきましょう!
このページでは回数券を購入する前に知っておきたい、失敗しないためのポイントがまるまるわかります。
また、回数券は新幹線の最安値チケットではないので、とにかく安くチケットを手に入れたい方は、他の割引サービスやホテルパックとも比較するのがおすすめです。
目次から必要な情報をお読みください。
新幹線の回数券とは?
新幹線の回数券とは、同じ区間のチケットを複数枚まとめて購入することで、1枚当たりの料金を割安で購入できるチケットです。
新幹線の回数券はほとんどの場合、6枚で1セットになっています。
希望する区間の回数券を購入すれば、発着駅どちらからでも乗車可能です。
例えば、設定区間が「東京⇔新大阪」の指定席用もしくは自由席用回数券を購入した場合、東京「発」~新大阪「着」の新幹線でも、新大阪「発」~東京「着」の新幹線でも、どちらの場合でも使用できます。
通常の新幹線チケットと画像で比較
通常の新幹線チケットは「新潟→東京」のように片方向でしか使えませんが…
回数券は「東京⇔新大阪」となっており、設定区間のどちらの駅からでも乗車できます。
「6枚1セット」シェアしてもOK!
新幹線回数券は基本的に6枚つづりで1セットですが、無記名のチケットなので、バラバラにして誰が使っても大丈夫です。
例えば、家族旅行などで3人が乗車するなら1人2枚ずつ往復で使ったり、6名の場合なら1人1枚ずつ片道だけ使用したりといった柔軟な使い方ができます。
他にも、「2人で1往復(4枚使用)し、1人出張を(購入から)3ヵ月以内に1回(2枚使用)利用する」といった仕方で使うことも可能です。
2枚・4枚つづりもある特殊回数券
区間や車両の違いによっては、つづり枚数が少ない回数券もあります。
例えば・・・
こだま号専用グリーン回数券(4枚綴り)
設定区間の普通車指定席利用時の運賃(通常期)に1枚あたり500円プラスした金額で、「こだま」号のグリーン車に乗車できる4枚綴りの回数券です。
最短区間は東京-熱海間、最長区間は東京-三河安城間となっています。利用できない期間がある回数券です。
他にも・・・
九州新幹線2枚きっぷ(2枚綴り)
九州新幹線の設定区間に割引料金で乗車できる、2枚つづりの自由席回数券。割引率は設定区間により0,3%~35,6%まで様々です。利用できない期間はありません。
指定席を利用する場合には指定する列車ごとに指定券料金(グリーン車ならグリーン料金)を別途支払う必要があります。
指定料金券は、大人520円(こども260円)となっていますが、九州新幹線の繁忙期は200円(こども100円)増し、閑散期は200円(こども100円)引き。
路線ごとの回数券一覧【2019】
東海道新幹線、山陽新幹線…など、路線ごとに発行されている回数券の種類は異なります。
現在発売されている回数券を路線ごとにまとめてみましたので気になる方はチェックしてみてください。
東海道新幹線 東京⇔新大阪 |
山陽新幹線 新大阪⇔博多 |
九州新幹線 博多⇔鹿児島中央 |
北陸新幹線 東京⇔金沢 |
上越新幹線 東京⇔新潟 |
東北新幹線 東京⇔新青森 |
山形新幹線 東京⇔新庄 |
秋田新幹線 東京⇔秋田 |
北海道新幹線 新青森⇔新函館北斗 回数券なし |
新幹線回数券の注意点
新幹線の回数券を購入する場合は、特に以下2つの点に注意が必要です
- 有効期限は3か月
- 使えない期間(シーズン)がある
- 途中下車はできない
有効期限
新幹線回数券の有効期間(使用期限)は基本的に3ヶ月間です。
購入した日から3カ月以内に使い切らないと無効になってしまいます。
※一部例外もあります。例えば「九州新幹線2枚きっぷ」の有効期限は1カ月間です。
使えない期間
新幹線の回数券は、たとえ有効期間内であっても「利用できない期間」があります。
回数券が使えない期間
- GW:4月27日~5月6日
- お盆休みの期間:8月11日~20日
- 年末年始:12月28日~翌年1月6日
ゴールデンウィーク、夏のお盆休みシーズン、年末年始一定期間は回数券の利用ができません。
この期間に利用することを目的に購入しても、使用できませんので注意が必要です。
なお、利用できない期間を含む日程で回数券を購入した場合、利用できない期間にかかった日数分、有効期間を延長してくれますので丸3ヶ月の有効期間が短くなってしまうことはありません。
※「九州新幹線2枚きっぷ」など、利用できない期間のない回数券もあります。詳細は個別に確認してください。
途中下車はできない
「途中下車」とは、回数券の区間内途中の駅でいったん改札口の外に出ることです。
新幹線回数券では、基本的に途中下車はできません。もし途中の駅で降りてしまった場合、その回数券は”前途無効”となり、その先の区間には使えなくなります。(改札で回収される)
新幹線の回数券には座席別で3種類あり
新幹線の回数券には、基本的に「自由席」「指定席」「グリーン車」の3種類があります。
自由席回数券
自由席回数券は、新幹線の普通車自由席に乗車できる回数券です。
「自由席」と定められている車両の中であれば、どこにでも空いている好きな座席に座ることができます。
乗車した段階で満席(1席も空いていない)の場合には、座ることができないのでデッキなどで過ごすことになります。
指定席回数券
指定席回数券は、新幹線の普通車指定席に乗車できる回数券で、事前に席を予約できるので必ず座ることができます。
指定席回数券で新幹線の指定席に乗車するには、回数券自体の他に、特定の列車・指定座席の詳細が印字された「座席指定券」が必要となります。
座席指定券は、JRの窓口や指定席券売機で指定席の予約をすることで取得できます。
指定席回数券のメリットは、指定された区間のどの列車の指定席にも同じ料金で乗車できることです。
例えば、東海道新幹線の列車「のぞみ」の指定席料金は「ひかり」「こだま」よりも高く設定されていますが、東海道新幹線の指定席回数券があれば「のぞみ」「ひかり」「こだま」どの列車の指定席にも差額の支払いなしで乗車できます。
「グリーン車」用
グリーン車回数券は、座席幅や足元が広いグリーン車の座席に乗車できる回数券です。
グリーン車内に「自由席」はなくすべて指定席なので、グリーン車回数券を使う場合は指定席回数券と同じように事前にJR窓口や券売機で「座席指定券」を取得してください。
グリーン車では、前の座席とのシート間隔が普通車より12cmほど広くなっています。
リクライニング角度も深くなっており、長距離の旅の場合には身体への負担が軽減されるシートです。
グリーン車回数券があれば、指定された区間のどの列車のグリーン車にも同じ料金で乗車できます。
例えば、東海道新幹線の列車「のぞみ」のグリーン車料金は「ひかり」「こだま」よりも高く設定されていますが、東海道新幹線のグリーン車回数券があれば「のぞみ」「ひかり」「こだま」どの列車のグリーン車にも差額の支払いなしで乗車できます。
新幹線の回数券は座席で割引率が全然違う!
新幹線回数券は通常料金と比べてどれくらい割引されるのでしょうか。
ここでは東海道新幹線を例に、主な設定区間の料金比較と割引率を紹介します。「区間」と「座席」による割引率の違いを比較してみてください。
※「通常料金」は「通常期」の料金としています。新幹線の通常料金は「閑散期」で200円引き、「繁忙期」には200円増しとなります
指定席回数券の割引率
▼普通車「指定席」の回数券割引率
区間 |
回数券料金 |
1枚当りの料金 |
通常料金(片道) |
割引率 |
東京↔名古屋 |
62,160円 |
10,360円 |
11,090円 |
約6.6% |
東京↔新大阪 |
82,140円 |
13,690円 |
14,450円 |
約5.3% |
東京↔広島 |
106,200円 |
17,700円 |
19,280円 |
約8.2% |
東京↔博多 |
128,160円 |
21,360円 |
23,150円 |
約7.7% |
普通車指定席用の回数券で比較した場合、設定区間によって割引率は様々です。
1日当り40万人もの人が行き交う東京⇔新大阪間であれば、通常料金に比べて1枚当り約5.3%の割引率となっています。
東京↔広島間であれば、約8.2%と割引率はさらに高くなります。東京⇔新大阪や東京⇔名古屋のように利用客数が多い区間ほど、指定席回数券の割引率は低くなる傾向です。
自由席回数券の割引率
▼普通車「自由席」の回数券割引率
区間 |
回数券料金 |
1枚当りの料金 |
通常料金(片道) |
割引率 |
東京↔熱海 |
19,980円 |
3,330円 |
3,670円 |
約9.3% |
東京↔静岡 |
32,340円 |
5,390円 |
5,830円 |
約7.5% |
東京↔浜松 |
42,720円 |
7,120円 |
7,770円 |
約8.4% |
東京↔米原 |
65,340円 |
10,890円 |
11,880円 |
約8.3% |
普通車自由席用の回数券で比較した場合でも、設定区間によって割引率は様々ですが、指定席用に比べると割引率はやや高くなっています。
東京↔熱海間であれば、10%に迫る割引率なので、熱海観光などに活用するにはとても便利ですね!
グリーン回数券の割引率
最後に、「グリーン車」用回数券の料金と通常料金を比較してみましょう。
なお、グリーン車に関してはのぞみ号とひかり・こだま号では料金が異なります。下表の「通常料金(片道)」は「のぞみ号」を利用した場合の料金です。
▼グリーン車の回数券割引率
区間 |
回数券料金 |
1枚当りの料金 |
通常料金(片道) |
割引率 |
東京↔名古屋 |
86,820円 |
14,470円 |
14,680円 |
約1.4% |
東京↔新大阪 |
113,520円 |
18,920円 |
19,230円 |
約1.6% |
東京↔広島 |
148,980円 |
24,830円 |
26,210円 |
約5.3% |
東京↔博多 |
167,040円 |
27,840円 |
30,080円 |
約7.4% |
グリーン車回数券は、東京↔名古屋・新大阪間における割引率が1%台と、指定席用回数券に比べて割引率はかなり低くなります。
遠距離になると割引率も大きくなり、東京↔博多間の場合約7.4%の割引率と、指定席用回数券の約7.7%に迫る割引率となっています。
長距離を快適に移動したい場合には、グリーン車用回数券を利用することもおすすめです。
東京発~全区間で見る回数券の価格相場
現在販売されている東京発着回数券(指定席)の価格相場を調べてみました。
通常料金と比較してどれくらいの割引になるのか比較していますので参考にしてください。
東京発着駅 | JR回数券※ | JR通常価格 | 割引額 |
東海道新幹線 のぞみ停車駅はのぞみ、止まらない駅はそれ以外の列車料金 |
|||
静岡 | 6,150円 | 6,350円 | 200円 |
浜松 | 8,090円 | 8,290円 | 200円 |
名古屋 | 10,360円 | 11,090円 | 730円 |
米原 | 11,430円 | 12,400円 | 970円 |
京都 | 13,070円 | 13,910円 | 840円 |
大阪 | 13,690円 | 14,450円 | 760円 |
神戸 | 14,150円 | 15,100円 | 950円 |
姫路・桐生 | 14,970円 | 16,160円 | 1,190円 |
岡山 | 16,090円 | 17,340円 | 1,250円 |
福山 | 16,370円 | 17,660円 | 1,290円 |
広島 | 17,700円 | 19,080円 | 1,380円 |
博多 | 21,360円 | 22,950円 | 1,590円 |
東北新幹線 はやぶさ停車駅ははやぶさ、止まらない駅はそれ以外の列車料金 |
|||
宇都宮 | 4,270円 | 4,930円 | 660円 |
那須塩原 | 5,350円 | 5,910円 | 560円 |
新白河 | 6,120円 | 6,670円 | 550円 |
郡山 | 7,610円 | 8,200円 | 590円 |
仙台 | 10,750円 | 11,200円 | 450円 |
盛岡 | 14,150円 | 14,740円 | 590円 |
上越新幹線 | |||
高崎 | 4,270円 | 4,930円 | 660円 |
越後湯沢 | 6,120円 | 6,670円 | 550円 |
長岡 | 8,230円 | 8,950円 | 720円 |
燕三条 | 8,540円 | 9,280円 | 740円 |
新潟 | 9,770円 | 10,570円 | 800円 |
山形新幹線(つばさ) | |||
山形 | 10,900円 | 11,340円 | 440円 |
秋田新幹線(こまち) | |||
秋田 | 14,260円 | 17,800円 | 3,540円 |
※指定席回数券。1枚当たりの料金
回数券は本当に安い?5つの割引サービスと比較!
区間によっては最大10%近く安くなる新幹線回数券ですが、実は、回数券は新幹線の最安値チケットではありません。
実際に、一番人気の区間「東京⇔新大阪」を例に料金を比較してみました。
回数券の料金と、主要な5つの割引サービス、
- 金券ショップ
- エクスプレス予約
- JR公式の早特サービス
- ぷらっとこだま
- 旅行代理店のパック・ツアー
の料金を「往復日帰り」・「往復+宿泊」のケースで比較します!
東京→新大阪【日帰り】で比較
東京→新大阪間を往復日帰りで利用した場合の料金比較です。
東京⇔新大阪 日帰り利用 |
片道料金 | 往復だと | メモ |
JR正規料金 | 14,450円 | 28,900円 | |
回数券 | 13,690円 | 27,380円 | |
金券ショップ | 13,500円 | 27,000円 | 当日購入できる |
エクスプレス予約(EX予約) | 13,370円 | 26,740円 | エクスプレス予約は事前登録とカード発行に1ヵ月はかかる。年会費1000円必要。 |
EX予約・スマートEX EX早特21 |
11,000円 | 22,000円 | 21日前までに予約が必要。 |
JR東海ツアーズ ぷらっとこだま |
10,300円 | 20,600円 |
こだまで4時間以上かかる。通販は3日前まで。店舗は前日まで。ワンドリンククーポン付 |
JTB 大阪日帰り1DAY |
10,400円 | 20,800円 3,000円チケット付 実質17,800円 |
ウェブ申込期限は5日前まで。この金額にキヨスククーポンなど3,000円チケットが付く! |
往復日帰りの場合、回数券では27,380円かかりますが、最安値のJTB「大阪日帰り1DAY」ツアーなら20,800円。
さらに「大阪日帰り1DAY」ツアーにはキヨスクで使える3,000円分のクーポンがついてくるので実質17,800円と圧倒的な安さです!
通常料金と比較すれば28,900円-17,800円でなんと11,100円も割引。
JTBツアーのネット予約期限は5日前なので、日程に余裕のある方はおすすめです。
東京→新大阪【往復+宿泊】で比較
宿泊する予定で新幹線のチケットを予約する場合は、ホテルパックが利用できます。
ここでは、「ホテル関西」2,500円(2人一泊素泊まり料金。楽天トラベルで調査)で予約した場合に統一して、新幹線とホテル代の合計金額で比較しています。
東京⇔新大阪 宿泊で利用 |
往復新幹線チケット + ホテル料金 |
合計 | メモ |
JR正規料金 +ホテル |
28,900円 +2,500円 |
31,400円 | |
回数券 +ホテル |
27,380円 +2,500円 |
29,880円 | |
金券ショップ +ホテル |
27,000円 +2,500円 |
29,500円 | 当日購入できる |
エクスプレス予約(EX予約) +ホテル |
26,740円 +2,500円 |
29,240円 | エクスプレス予約は事前登録とカード発行に1ヵ月はかかる。年会費1000円必要。 |
EX早特 +ホテル |
22,000円 +2,500円 |
24,500円 | エクスプレス予約は事前登録とカード発行に1ヵ月はかかる。年会費1000円必要。 |
ぷらっとこだま +ホテル |
20,600円 +2,500円 |
23,100円 | こだまで4時間以上かかる。通販は3日前まで。店舗は前日まで。 |
ホテルパック JTB |
21,200円 | 21,200円 | JTBの場合、ネット予約は4日前まで |
東京→新大阪間を往復+大阪で宿泊の場合、回数券では29,880円かかりますが、最安値のJTBホテルパックなら21,200円。
通常料金と比較すれば31,400円-21,200円でなんと10,200円も割引です!
代理店により異なりますが、ネット予約期限は4日前~前日までなので日程に余裕のある方はおすすめです。
ポイント
東海道新幹線(JR東海)を例に比較しましたが、全国に新幹線は9路線あり、JR5社がそれぞれ独自で運営しているので、路線によって割引サービスが違います。
たとえば、JR東日本のえきねっとには「トクだ値」という割引サービスがあり、区間によって異なりますが10%~30%割引が受けられます。
でも、どのJR公式割引と比べても、旅行代理店が発売しているホテルパックは40%近く、日帰りプランでも30%程安くなっていることがほとんどです。
希望の路線でスケジュールにあったプランがあれば、旅行代理店が販売しているパック・ツアーで申し込むのが一番安く手に入れる方法です。
当サイトでは、乗車する路線や区間ごとに利用できる格安チケットをまとめていますので、ぜひ参考にしてください!
新幹線回数券のメリットは?
回数券は他のサービスと比較すると割引率はそれほど高くないことをご紹介しました。
でも、回数券にもメリットがありますので、目的にあわせて使い分けましょう!
ここでは回数券の2つのメリット、
- 乗車直前でも購入できること
- 乗車日や時間を指定・変更できる利便性
について解説します!
乗車直前でも購入できる
新幹線の最安値チケット、旅行代理店の「日帰り新幹線ツアー」や「新幹線ホテルパック」は料金が安い反面、5日前~前日まで(旅行代理店によって異なります)に予約しておく必要がありますが、回数券は乗車直前でも購入することができます。
自由席回数券なら購入すればそれ1枚ですぐ新幹線に乗車できますし、指定席回数券やグリーン回数券を購入する場合でも、JR窓口や指定席券売機で座席指定をする数分の時間だけ見込んでおけば、乗車直前に購入しても間に合います。
※ただし、モバイルSuica(JR東日本)の「モバトク」、エクスプレス予約(JR東海)など新幹線ネット予約の会員であれば、乗車直前でも回数券より安い料金で新幹線チケットを購入できる場合があります。
乗車日や時間を指定・変更できる
指定席回数券、またはグリーン車回数券を購入した場合、JR窓口や指定席券売機で座席の指定をし、座席指定券をもらうことで指定席(またはグリーン車)に乗車することができるようになります。有効期間内、指定された区間の列車であればどの列車でも選択できるので、都合の良い日時の新幹線を選ぶことができ便利です。
さらに便利なのが、回数券で指定席を予約した場合、指定した列車が出発する前であれば、JR窓口や指定席券売機で何度でも指定席を変更することが可能です。
変更が可能なのは以下の3点です。
- 乗車日(有効期間内に限る)
- 列車そのもの(時間帯・号数の変更)
- 座席
※乗車区間を変更することはできません。
回数券ではなく通常の指定席券を購入した場合、指定席券の変更は原則として1回だけ可能で、2回目の変更はできない決まりになっています。どうしても2回目の変更をする場合は、予約を一旦取り消して払い戻しを受けた上で再度購入し直すことになりますが、この場合、払い戻し手数料として乗車券220円+指定券330円で合計550円が必要です。
回数券の場合は有効期限内であれば変更回数に上限はありませんし、手数料も不要なので、この点も回数券のメリットです。
※ただし、えきねっと(JR東日本)の「モバトク」、エクスプレス予約・スマートEX(JR東海)などでネット予約したチケットは、手数料無料で何度でも変更可能です。
新幹線回数券の買い方は?
ここからは、新幹線回数券の買い方(購入方法)について解説します。
新幹線の回数券は、JRの窓口や指定席券売機で購入できます。一部取扱いのない駅もありますが、基本的に、購入する回数券の出発・到着駅、また周辺のJRの主な駅の窓口(新幹線が停車しない駅を含む)、および主な旅行会社の支店・営業所で購入することができます。
※JRの切符購入窓口は通常「みどりの窓口」と呼ばれますが、JR東海では「JR全線きっぷうりば」という名称が使われているので、この記事では「JRの窓口」と呼んでいます。
JR窓口は混雑している場合が多いので、券売機操作に不安がないようであれば、指定席券売機での回数券購入がおすすめです。
券売機の操作に自信がなければ、窓口で係員さんに相談しながら購入しましょう。
なお、JRの窓口は駅によって営業時間が異なりますので、事前に確認するようにしてください。
クレジットカードで購入できる?
新幹線回数券を購入する際の決済は、現金でもクレジットカードでも可能です。
ただし、指定席券売機でクレジットカード購入する場合は、カード暗証番号の入力が必要なので注意してください。
正しい暗証番号を入力しないとチケットの購入ができませんので、万一忘れてしまった場合には、券売機での購入を中止して(画面上の「取消」ボタンを押す)、JR窓口での購入に切り替えましょう。
窓口では、暗証番号の入力ではなく、カード名義人のサイン(署名)で回数券を購入することができます。
ちなみに、自動券売機および「みどりの窓口」のどちらの場合にも、クレジットカードの支払回数は1回払のみとなっています。
回数券は6枚つづりなので、高額なものでは料金が10万円を超えることもありますが、この場合もクレジットカードの支払方法は1回払いのみとなります。どうしても分割払いで購入したい場合は、ひとまず1回払いで購入した後に、分割払いやリボ払いに変更できるクレジットカード会社のサービスを利用するしかありません。
※詳細は各クレジットカード会社に確認してください
バラで購入できる?
JRの窓口や指定席券売機では、回数券をバラで購入することはできませんが、金券ショップ(チケットショップ)では新幹線回数券がばら売りされています。
ばら売りでも、JRの窓口で購入した場合の1枚分の料金と同程度かさらに数百円安い値段で販売されていることが多いので、新幹線の乗車前に時間があれば金券ショップに立ち寄ってみるのもいいかもしれません。
金券ショップは、主要な新幹線駅の周辺で多く見られますが、比較的小さな駅の周辺でも金券ショップが管理する自動販売機で購入できる場合もあります。
ただし、東京⇔大阪などの人気区間は自販機では購入できず、店舗の中で営業時間中のみ販売されていることがほとんどです。
金券ショップの回数券は「有効期限が短い」など注意点がいくつかあります。
以下の記事では、回数券を含め、金券ショップで購入できる新幹線の格安チケットについて解説していますので参考にして下さい。
新幹線回数券の使い方とよくある質問
「指定席回数券」と「グリーン車回数券」は、それぞれ指定席、グリーン車に乗車できる回数券です。
乗車前にJR窓口または指定席券売機で指定席を予約し、座席指定券を受け取ってください。発行された座席指定券と指定席回数券を2枚同時に新幹線改札に通すことで、新幹線に乗車できます。
指定席券をもらわずに指定席回数券だけで改札を通ることもできますが、この場合は自由席にしか座ることができませんので注意してください。
「自由席回数券」を購入した場合は、座席の指定はありませんので回数券だけを改札に通し、そのまま自由席車両に乗車してください。
新幹線の回数券は2~6枚つづりですが、通常3カ月の有効期限内に使い切る必要があります。
3カ月以内に使い切る予定で購入しても、急に予定が変わって使い切れないことがあるかもしれません。
そこで、新幹線の回数券を利用するうえで疑問となることをまとめてみました。
※有効期限のない回数券もあります
払い戻しはできるの?
回数券は、表紙を含む全券片(ぜんけんぺん)、つまり1セットすべて未使用で有効期間内に限り、購入した駅で払い戻しを受けることができます。有効期間が切れる当日であっても、払戻を受けることが可能です。
6枚のうち1枚でも使用してしまうと払戻を受けることはできません。また、実際にはチケットではない「表紙」も揃っていなければなりません(「表紙」には購入代金の総額が印字されています)。
つまりチケットは全部で7枚(表紙1枚+回数券6枚)揃っている必要があります。
また、回数券6枚すべてが未使用であっても、有効期間を1日でも過ぎるとやはり払い戻をし受けることができなくなりますので注意が必要です。
払い戻し条件にかなう場合には、購入代金から220円(1セット当たり)の手数料を引いた金額の払い戻しを受けることができます。
※クレジットカードで購入した回数券を払い戻す場合は、購入に使用したクレジットカードが必要です。(支払いのキャンセル処理のため)クレジットカードで購入した回数券を現金で払い戻すことはできません。
有効期限内に使いきれない!どうしたらいい?
回数券の払い戻しを受けたいけど…
- 回数券を1枚使ってしまった
- まだ1枚も使っていないけど、表紙をなくしてしまった
などの場合は払い戻しを受けることができません。
では、払い戻しを受けられないけど有効期限内に使い切れない…という場合はどうしたらよいのでしょうか?3つの対処方法をご紹介します。
複数名で利用する
新幹線回数券は基本的に6枚つづりで1セットですが、無記名のチケットなので、6枚全部を購入者1人で使わなければならない、というルールはありません。
例えば、家族旅行などで3人が乗車するなら1人2枚ずつ往復で使ったり、6名の場合なら1人1枚ずつ片道だけ使用したりといった柔軟な使い方ができます。
他にも、「2人で1往復(4枚使用)し、1人出張を(購入から)3ヵ月以内に1回(2枚使用)利用する」といった仕方で使うことも可能です。
金券ショップに売る
JR窓口で購入した回数券を、金券ショップで買い取ってもらうことも可能です。
店舗によっても異なりますが、金券ショップで買い取ってもらう場合の買い取りレートは、6枚綴りの未使用品で通常料金の97~98%です。
例えば東京↔新大阪間の回数券(普通車指定席)の通常料金は6枚1セットで「82,140円」なので、もし97,5%の買い取りレートだとすると、80,086円で買い取ってもらうことになります。
この場合は、当然手数料220円を支払ってでも、JRで払い戻しをしたほうがより多くのお金が戻ります。(東京-新大阪間の回数券で81,920円が戻る)
でも、回数券を1枚でも使ってしまった場合はJRでの払い戻しができないので、金券ショップで買い取ってもらいましょう。
例えば東京↔新大阪間の回数券(普通車指定席)をバラで買い取ってもらう場合のレートは、ショップにより異なりますが1枚当り13,200円程が相場で、JR窓口で購入した場合の1枚当りの金額(13,690円)と比べると490円引きでの買い取りとなります。
時折金券ショップの買い取りレートをチェックして、レートが良い時を狙うのも良いかもしれませんね。
ただし高い買取価格で引き取ってもらうためには、回数券を購入してから1週間以内でなければならない点に注意してください!
2枚使って残りを売れば得する?
こうして、回数券をバラでも買い取ってもらえることを考えると、例えば6枚つづりの回数券を1セット購入して往復で2枚だけ使い、残りは金券ショップに売却すると、通常料金で片道ずつ2枚購入するよりお得になるかも?と思う方もいるかもしれません。
では、実際にお得になるのか計算してみましょう。
まず東京-新大阪間の通常料金(指定席・片道)は14,450円なので、往復で28,900円となります。回数券は1枚当り13,200円で買い取ってもらえるので、4枚を売却すると合計52,800円になります。
回数券の6枚つづりは82,140円なので、そこから52,800円を引くと残り2枚分の金額が算出できます。
そうすると…82,140円-52,800円=29,340円。ということで、6枚つづりの回数券の2枚だけ使用して、残り4枚を金券ショップに売却してもお得にはならず、むしろ440円(29,340円-28,900円)損になります。
オークションサイトで売る
ヤフオクなどのオークションサイトで使わない分の回数券を売ってしまうのもおすすめです。
人気の東京⇔新大阪の新幹線チケットの過去取引を調べてみると、なかなかの高額で売却されています。
東京⇔新大阪の回数券が、金券ショップでの販売価格と同程度の13,500円で取引されています。
金券ショップだと13,200円程度で買い取られるのでヤフオクで「送料受取人持ち」にすれば結構お得です。
まとめ
新幹線回数券は、新幹線の最安値チケットではありませんが、
- 乗車直前でも購入できる
- 有効期限内なら新幹線の指定や変更が何度でも無料でできる
というメリットがあります。
ただし、現在では新幹線のネット予約※が一般的になってきており、乗車直前でも購入でき、変更も無料、さらに料金は回数券よりも安いチケットがネット予約できるようになってきたため、回数券のメリットは薄れつつあります。
※JR東日本:えきねっと、モバイルSuica/JR東海:エクスプレス予約、スマートEX/JR西日本:e5489など
当サイトでは、新幹線の回数券やネット予約も含め、乗車する路線や区間ごとに利用できる格安チケットをまとめています。区間ごとの最安値チケットも毎月更新していますので、ぜひ参考にしてください!
料金について
この記事で紹介している料金設定は、2019年10月のJR運賃・料金改定以前の情報です。現在の料金とは若干異なりますのでご注意ください。