料金について
この記事で紹介している料金設定は、2019年10月のJR運賃・料金改定以前の情報です。現在の料金とは若干異なりますのでご注意ください。
新幹線チケットを予約・購入する場合、みどりの窓口での対面予約が一般的ですが、現在ではインターネットで簡単にチケットの予約・購入ができる「スマートEX」も人気です。JR東海・西日本が運営するスマートEXは2017年11月には登録者数が28万人でしたが、わずか7ヶ月後の2018年6月には100万人に達しました。この記事では、人気急上昇中の「スマートEX」予約とはどのような予約方法なのか、また通常料金との違いや乗車方法などを解説します。その名の通り、「みどりの窓口」などで購入する従来の方法よりも「スマート」に乗車できるサービスなので、ぜひこの記事の内容を参考にしてください!
スマートEXとは?
JR東海およびJR西日本が運営する「スマートEX」は、インターネットで新幹線のチケット予約ができるサービスです。会員登録が必要なネット予約サービスですが、年会費は無料となっています。スマートEXで予約するためには下記を用意する必要があります。
・クレジットカード
・(あれば)交通系ICカード
クレジットカードは必須!
スマートEXで新幹線チケットを予約した場合の支払い方法は、クレジットカード決済のみとなっています。銀行振込や口座振替でのチケット購入はできませんので、必ずクレジットカードを準備する必要があります。ちなみに、会員本人名義のクレジットカードが必要なため、登録できるのは18歳以上が対象となっています。
もしも交通系ICカード(Suica、PASMOなど)を所持しているようであれば、クレジットカードと合わせて登録すれば、紙のきっぷを受け取ることなく改札を通過できますので、できれば登録することをお勧めします。交通系ICカードの登録をしない場合には、必ず紙のきっぷを受け取って乗車する必要があります。なお、登録できるクレジットカード(6ブランド)は下記の通りです。
登録可能クレジットカード
VISA、MASTER、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、J-WEST
登録できるクレジットカードのうち「J-WESTカード」に関しては、「ベーシック」タイプのみ登録可能となります。
交通系ICカードで登録可能なのは下記の10種類です。
登録可能ICカード
Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA
ちなみに、交通系ICカードのSuicaに関しては、「モバイルSuica」でも登録が可能です。
スマホアプリもある!
スマートEX予約が可能となる、スマホアプリ「EXアプリ」も存在します。iOS:10.0以降 かAndroid:5.0以降のスマホであれば利用できます。
なお、アプリでの会員登録はできませんので、スマホかPCで事前に会員登録を済ませておく必要があります。対応機種でiOS版のスマホを利用していれば、会員情報をその都度入力しなくても、指紋認証/顔認証(Touch ID/Face ID)のログインも可能なので、とても便利です。
スマートEX予約のチケット料金は?
では、スマートEXで主要区間の切符を予約した場合の料金と通常料金(通常期)とを比較してみましょう。まずは「のぞみ号」での比較です。
▼スマートEX予約と通常予約のチケット料金(のぞみ号・普通車指定席)
区間 | スマートEX料金 | 通常料金 |
東京-名古屋 | 10,890円 | 11,090円 |
東京-新大阪 | 14,250円 | 14,450円 |
東京-広島 | 18,880円 | 19,080円 |
続いて、「ひかり号・こだま号」で、主要区間を比較してみます。
▼スマートEX予約と通常予約のチケット料金(ひかり、こだま号・普通車指定席)
区間 | スマートEX料金 | 通常料金 |
東京-名古屋 | 10,680円 | 10,880円 |
東京-新大阪 | 13,940円 | 14,140円 |
スマートEXで予約した場合のチケット料金は、のぞみ号・ひかり号・こだま号いずれのケースでも、通常料金から一律200円引きとなります。
エクスプレス予約との違いは?
スマートEXと同様、JR東海とJR西日本が運営するネット予約サービスに「エクスプレス予約」があります。
「エクスプレス予約」は、お盆や年末年始、連休などの期間も含め、1年中いつでもおトクな料金で東海道・山陽新幹線のチケットを購入できるネット予約サービスです。年会費(1,080円【税込】)が必要となるサービスなので、出張や旅行などで新幹線をよく利用する方にはお勧めの予約方法です。年会費の有無以外にも、スマートEXと異なる点がありますので、紹介していきます。
JR東海の公式サイトでは、下記の通り、スマートEXとエクスプレス予約の違いを分かりやすく表示しているページがあります。
(画像:JR東海公式サイト、専用ページよりhttp://jr-central.co.jp/ex/_pdf/smart-difference.pdf)
では、主な違いについて解説していきます。
会員登録後についての違い
スマートEXの場合は、クレジットカードを登録、またはクレジットカードと交通系ICカードを登録すれば、すぐに新幹線チケットの予約が可能となりますが、エクスプレス予約の場合は入会手続き後、専用ICカードを受け取ってはじめて予約が可能になります。
個人会員用のICカード(青地に白文字)には、①会員本人の氏名、②会員ID、③問い合わせ番号が印字されています。
チケット料金の違い
スマートEXで購入する場合のチケット料金は、駅窓口での購入価格とほぼ同額で、通常料金の200円引きとなっています。なお、新幹線チケットは繁忙期になると料金が上がりますし、閑散期には料金が下がります。スマートEXの200円引きもそれに連動していますので、繁忙期の料金から200円引き、閑散期の料金から200円引きとなります。(往復割引に関しても通常料金から200円引きとなります)
一方エクスプレス予約の場合は、そうした料金の変動はなく、1年を通じて同額でのチケット購入が可能です。一例として東京-新大阪間の料金はスマートEXでは14,250円(のぞみ号通常期・普通車指定席)、繁忙期は14,450円、閑散期は14,050円と変動するのに対し、エクスプレス予約ではいつでも13,370円(普通車指定席)となります。なお、スマートEXでは「自由席」のチケットも購入できますが、指定席のような割引はなく通常料金と同一です。エクスプレス予約であれば、自由席チケットも指定席と同じ割引料金で購入できます。
ちなみに、エクスプレス予約だけの特長として「グリーンプログラム」に参加することができます。(プラスEX会員を除く)
グリーンプログラムとは、エクスプレス予約で乗車した場合に、利用区間に応じて登録不要で自動的にポイントが貯まる、便利でお得なプログラムのことです。ポイントを貯めていくと、普通車指定席と同じ料金でグリーン車を利用することができます。
乗車方法の違い
スマートEXでは、クレジットカードと共に交通系ICカードを登録していれば、その交通系ICカードを利用してチケットレスで改札を通り、乗車することができます。
▼チケットレスでスマートに乗車
クレジットカードのみ登録している場合は、みどりの窓口やみどりの券売機で紙のきっぷを受け取る必要があります。エクスプレス予約の場合は、専用のICカードで新幹線駅の改札を通過して乗車可能です。
スマートEX予約はいつからできる?
スマートEXでの新幹線チケットの予約は、乗車予定日の1ヶ月前の午前10時からスタートします。これは、みどりの窓口における対面での予約と全く同じタイミングとなっており、ネット予約ならではの「先行予約」等のメリットはありません。
予約のタイミングについて
予約タイミングについての具体的な例をご紹介します。例えば4月1日の列車の予約は3月1日に開始されます。もしも1ヶ月前に同日がない場合は、同じ月の1日が予約開始日となります。一例として、3月31日の1ヶ月前の2月には31日がありません。そこで、3月31日の新幹線予約は3月1日の午前10時に開始となります。
予約開始以降は、東海道・山陽新幹線の全区間、終日の全列車の予約ができ、会員本人を含めて最大6名までの予約が可能となっています。ちなみに予約の締め切りは乗車日当日、発車時刻の4分前までとなっています。
スマートEXで予約をする方法は?
では、実際にスマートEXで予約する方法を解説していきます。まずは、下記の場所から「会員登録」を先に済ませておきます。
▼「スマートEX」トップページ
スマートEXトップページの上部に「会員登録」のボタンがありますので、そこをクリックして登録してください。
スマートフォンサイトでは、ページ中に何ヶ所か「会員登録」ボタンがありますので、タップすればどこからでも登録が可能です。
▼スマホ用のスマートEXトップページ
会員登録を済ませたら、すぐにでも新幹線チケットの予約ができます。ここでは、スマートフォンから予約するための方法をご紹介します。
まずスマートEXサイトにログインし、メニュー画面で「予約」をタップすると「条件設定」の画面に遷移します。
▼「条件設定」の画面
条件設定の画面で、乗車予定日付、出発時刻(または到着時刻)、乗車駅と降車駅、利用人数(おとな、こどもなど)を指定して、【OK予約を続ける】をタップします。(のぞみ号以外のひかり号やこだま号を利用したい場合は「ひかり・さくら・こだまのみ検索」のボックスにチェックを入れます)次の画面で列車候補が表示されます。
▼列車候補が表示される
表示された候補から、空席表示を見ながら希望の列車の「この候補を選択」をタップします。なお、空席は「この候補を選択」ボタンの左側に表示されています。上段がグリーン車の座席、下段が指定席の空席状況となっています。記号が◯なら空席有り、▲なら残りわずか、☓は満席という意味です。自由席を予約したい場合もひとまず「この候補を選択」をタップしてください。続いて座席の詳細を指定する画面に遷移します。
▼座席の詳細を入力する画面
座席の詳細を入力する画面では、普通車の座席、グリーン車の座席、そして指定席や自由席など希望する座席にチェックを入れることができます。自由席を選びたい場合は「スマートEX自由席」と表示されている枠のチェックボックスにチェックを入れます。希望する枠にチェックを入れたら、下部の「OK 予約を続ける」ボタンをタップします。なお「座席表を見る」ボタンをタップすると窓側や通路側など、空いている座席の位置を確認しながら、希望する位置の座席で予約を進めることができます。次の画面では最終的な予約内容の確認ができます。
▼これまでの画面で入力した内容が表示される
これまでの画面で選択した内容を、この「確認」画面で最終確認します。特に訂正がないようなら、下部の「OK 予約する(購入)」をタップし、決済を完了させます。
▼最後に表示される「予約完了」画面
決済(購入)が完了すると、最後に「予約が完了しました」と表示されます。「IC可」と表示されていれば、登録済みの交通系ICカードで改札を通過し乗車することができます。「IC未登録」と表示された場合でも、乗車前に交通系ICカードを登録すればIC乗車が可能です。「IC不可」や「きっぷ」の文言が表示された場合は、乗車前に人数分の「紙のきっぷ」を受け取った上で改札を通過する必要があります。
パソコンで予約したチケットとEXアプリでの予約等は、相互に反映されますので、列車予約の内容は、ウェブ版の予約サイト上の「予約確認/変更/払戻」またはEXアプリの「予約一覧」のどちらからでも確認することができます。もちろん、アプリで予約した内容をパソコンからスマートEXにログインして確認することも可能です。
領収書の発行について
ビジネス・出張利用のための予約であれば、やはり領収書は必要かもしれません。PC・スマホ・アプリ・紙のきっぷ、いずれの場合でも、領収書を発行することができます。みどりの窓口やみどりの券売機で紙のきっぷを受け取る場合には、きっぷの受取時に「ご利用票兼領収書」が発行されますので、保管してください。
パソコン・スマートフォンの場合、スマートEXにログイン後、メニュー画面の「ご利用履歴・領収書の発行」で領収書を画面に表示することができます。
▼メニュー画面にある「領収書の発行」ボタン
EXアプリの場合は、スマートEXにログイン後、サイドメニューの「購入履歴・領収書」から表示対象の履歴を選択した上で「領収書を発行する」で領収書を画面に表示することができます。(チケット予約当日は領収書が表示されません)
▼画面上での「領収書」表示例
紙のきっぷを受け取るケース以外は、すべて画面表示での領収書発行となりますので、紙の領収書が必要な場合は画面(画像)を自分でプリントアウトする必要があります。
予約後の新幹線への乗車方法は?
では、スマートEXで予約した場合の、新幹線への乗車方法について解説します。交通系ICカードで乗車する場合と、紙のきっぷを受け取ってから乗車する場合に分けて説明します。
交通系ICカードで乗車する場合
まずは、交通系ICカード(モバイルSuicaを含む)を使って乗車する場合ですが、新幹線駅の改札を利用する場合は、登録済みのICカードもしくはモバイルSuicaの場合はモバイル端末を改札機にタッチします。
改札機にタッチすると「EXご利用票」が印刷されますので、必ず受け取ってから乗車してください。EXご利用票は新幹線の車内改札の際にも必要となりますので、紛失しないようにご注意ください。到着駅の改札を通過する際には、ICカードを再びタッチすればOKです。なお、上図では改札機を通過する際に決済がなされるように見えますが、実際には予約時にクレジットカード決済は完了していますので、交通系ICカードの残高からの引き去りはありません。
注意が必要な通過方法として「在来線を紙のきっぷで乗車し新幹線へはICカードで乗車」するケースです。
在来線の駅と新幹線駅が同一の場合、新幹線への「乗換口」を利用することになります。その場合、新幹線「乗換口」の改札機を通過する際に、最初に紙のきっぷを投入し、次に交通系ICカードを改札機にタッチする必要があります。
先に紙のきっぷを投入し、その後に交通系ICカードをタッチすると「EXご利用票」がプリントされますので受け取ってから新幹線に乗車してください。
2名以上で予約した場合は、会員本人が含まれているとしても、交通系ICカードで通過することができません。会員本人を含めて全員分の「紙のきっぷ」を受け取って乗車する必要があります。会員本人のみ交通系ICカードで乗車したい場合は、予約の時点で会員本人と同行者を別々に予約する必要がありますので注意が必要です。
紙のきっぷで乗車する場合
紙のきっぷを受け取る場合、窓口でも券売機でも共通して必要となるのは、予約した際のクレジットカードとスマートEXログイン時のパスワード(4~8桁の英数記号)です。いずれも忘れないように注意が必要です!
紙のきっぷを受け取った後、新幹線駅から乗車する場合は新幹線改札機にきっぷを投入し、出てきたきっぷを持って乗車してください。なお、新幹線チケットをみどりの窓口などで通常購入する場合は、特急券(自由席もしくは指定席)と乗車券の2枚が発券されますが、スマートEXのチケットは特急券と乗車券が1体型となっていますのでチケットは1枚となります。(1体型チケットのため「特急券」のみをスマートEXで購入するといった方法は取れません)
在来線を紙のきっぷで乗車し、その後新幹線にも紙のきっぷで乗車する場合の方法も解説しておきます。その場合、新幹線「乗換口」では、券売機や窓口で受け取った新幹線の人数分のきっぷと、在来線のきっぷを重ねて改札機に投入します。そして排出される新幹線のきっぷを受け取ってから乗車してください。
スマートEXの予約を変更・キャンセルは可能?
急な予定変更などで、乗車予定の新幹線を変更する場合や、キャンセル(払戻)する必要が生じるケースもあります。スマートEX予約でも変更やキャンセルが可能ですが、条件がありますので注意点と共に説明します。
予約を「変更」する場合
手数料無料で変更OK!
まず「変更」が可能な条件としては、交通系ICカードを利用する場合は改札を通過する前、紙のきっぷの場合はきっぷの受取前、そして乗車予定の列車の発車時刻前であれば手数料無料で何度でも変更が可能です。注意点としては、紙のきっぷを利用して乗車することにしていた場合は、きっぷを受け取ってしまうと、改札通過前であっても予約は変更できないという点です。
もう1点注意が必要なのは、予約を変更する度に登録済みのクレジットカードで変更後のチケットを改めて決済した後に、変更前の商品が払い戻されるという点です。このため、立て続けに複数回の変更を行った場合、一時的にせよかなりの金額がカードから決済されている状態になるので、クレジットカードの限度額を越えてしまいしばらくは変更ができないケースが生じますので注意が必要です。
予約を「キャンセル(払戻)」する場合
キャンセル手数料は原則310円
予約をキャンセルする場合、乗車予定の列車の出発前までは払戻が可能ですが、手数料が必要となります。手数料はおとな・こども同額で、310円となっています。手数料は指定席・自由席・グリーン席を問わず同額です。
列車が発車した後にキャンセル(払戻)することも可能です。自由席の場合は、発車前のキャンセルと同じ310円が手数料となりますが、指定席やグリーン席の場合は区間毎の「特定額」が必要となります。この「特定額」が払戻手数料となります。通常期の特定額(のぞみ号・指定席)は東京-名古屋間で4,630円、東京-新大阪間で5,500円、東京-広島間で7,220円となっています。のぞみ号・グリーン席の特定額は、東京-名古屋間で8,220円、東京-新大阪間で10,280円、東京-広島間で14,350円となっています。
▼主な区間の「特定額」(のぞみ号)
区間 | 普通車指定席 | グリーン(車)席 |
東京-名古屋 | 4,630円 | 8,220円 |
東京-新大阪 | 5,500円 | 10,280円 |
東京-広島 | 7,220円 | 14,350円 |
やはり発車後のキャンセルの場合、手数料はかなり高額となってしまいます。なお、指定席を予約していたものの乗り遅れた場合、その日のうちであれば、後続列車の自由席に乗車することが可能です。
スマートEXと学割などの併用はできるの?
学生であれば、運賃が20%引きになる「学割」制度とスマートEXの併用ができるのか気になるところかもしれません。残念ながら、学割とスマートEX(200円引)の併用はできません。他にも、株主優待割引、ジパング割引、障がい者手帳や療育手帳などの各割引制度とスマートEX予約での併用はできません。
豆知識
スマートEXと他の割引制度は併用できませんが、スマートEX(およびエクスプレス予約)専用の割引制度が存在します。「EX早特21」や、「EXグリーン早特」といった名称で発売されており、乗車予定日より21日(3週間)前までや4日前までの予約で料金が格安になるチケットとなっています。十分前もって予定が立てられる旅行や出張の際には是非検討ください!
料金について
この記事で紹介している料金設定は、2019年10月のJR運賃・料金改定以前の情報です。現在の料金とは若干異なりますのでご注意ください。